motomi.m SPECIAL INTERVIEW

写真:浅野・和田 / 文:和田

今回はじめての試みであるBleu Journal特別編として、FRENCH Bleuで大人気のブランド『motomi.m(モトミエム)』デザイナーのもとみさんにお話を伺いました。
アトリエがある愛知県蒲郡市を訪れ、もとみさんのお洋服へ対する熱意とこだわり、お洋服創りへのバックボーンなど貴重なお話しを聞くことが出来ました。

はじめてのデザイナーさんへの取材ということもあり、緊張していた私を温かく迎えて下さったデザイナーのもとみさん、代表取締役の斉藤さん、ありがとうございました。
この場を借りて感謝をお伝えさせていただきます。

今回のインタビューは浅野ディストリビューター、石川バイヤー、和田で伺わせていただき、5/22(土)から行われるmotomi.m FAIRに向けての商談に同行させていただきました。
商談の貴重なお写真なども掲載しておりますので是非ご覧ください。

もとみさんのアトリエは蒲郡の豊かな自然と海が一望でき、花があふれ、motomi.mの温かな雰囲気はこの蒲郡の土地や、もとみさんの優しい人柄から来ているのだと実感しました。
そんな温かな雰囲気のなか始まった取材で沢山の貴重なお話を聞くことができました。

Ⅰ.motomi.mをスタートしたきっかけ

もとみ:もともとお洋服がすごく好きで、昔からお洋服に携わる仕事をしてきました。
そんな中、なかなか自分が着たいと思うお洋服がなく、だったら自分で着たいお洋服を作ろうと思ったことがきっかけです。
専門学校でお洋服について学び、東京の企業に就職し、その後地元の蒲郡に戻り今のチームで『motomi.m』を立ち上げました。
ブランドは2005年にできましたが、それより以前からお洋服に携わっていて、もう30年くらい服作りをしています。 こういうと年がバレちゃうけど。(笑)

『服を作る』ということが仕事ではなく、生活の一部

Ⅱ.服のデザインを考えているときにインスピレーションを受けたりするものはありますか?

もとみ:インスピレーション、、、特別コレというものはありませんが、何かに受けてはいると思います。
着たいと思うお洋服を作っていて、楽に過ごせる服を作りたいんです(笑)

一同:(笑)

もとみ:楽な感じで、着心地が良くて、手入れが簡単で、クリーニングも出さなくてよくて、家でばっと洗えて、すぐ乾いて、アイロンをかけなくて良い。
そういう実用的なものを作りたいという気持ちがあって、それだけ当てはまれば何でも良いかっていうとそうではないのですが。
そこにプラスで自分が着たいデザインを入れていくという感じです。
なので大それたインスピレーションというものはありません。
ですが、『motomi.m』を立ち上げたタイミングで海と空と何にも遮るものがないこの場所で仕事がしたいと思い蒲郡に来ました。
なのでこの自由な自然が私にインスピレーションを与えてくれているのかもしれません。
アトリエからぼーっと外を眺めている中で自分の中へ取り込んでいるのかな。

和田:確かに、いつももとみさんのインスタも拝見しているのですが、その中にも蒲郡の海の写真がありますもんね。

もとみ:ありがとうございます。
そうなんです、朝は近くの海岸まで歩いて太陽が上がるのを見て仕事をして、午後は夕日が山に沈むのを感じながらアトリエで仕事をしています。
その自然がやっぱり力になっているのかなと思います。
私が一番最初に作ったお洋服と、この蒲郡のアトリエに引っ越してきてから作ったお洋服とでは全然デザインが違いました。
やっぱり以前の方がもう少し堅苦しいデザインでしたね。

昔は自分のブランドじゃないということもあり、デザインが浮かんでこないというか、悩むことがあったのですが、 自分の好きなことをやろうと決めてブランドを立ち上げてからは、何にもない状態から作り上げるということがすごく楽しいです。
やはり0からのスタートなのでリスクはありますが、それでも作り上げられることが楽しいです。 『服を作る』ということが仕事ではなくて生活の一部になっているかな、と思います。
定時も残業もなく、ここでぼんやりしている時間にアイデアが膨らんだりするんです。

『motomi.m』のチームは世の中がこのコロナウイルスで在宅勤務になる前から在宅で仕事をしていて、みんながそれぞれプロなので集まって作業をしなくてもいいんです。
『motomi.m』のパタンナーとは20年ほどの付き合いです。
なので「ふわっとさせたい」「ブワァとした感じ」とイメージを伝えると「わかりました!」とパターンを作成してくれて、仮縫い状態の商品を見ながら修正を行い実際店頭に並ぶ商品にしていきます。
細かくこちらが指示をしなくても、私のイメージの意図をくみ取ってデザインをカタチにしてくれています。

また他の事だと、ブランドプランナーをしている斉藤にこういう商品が作りたいとお願いをした時、私はあまり生地のことは詳しくないので「柔らかくて、すとんと下に落ちてくれて、洗濯もできて、ゴワゴワしないやつ、、、」と抽象的なお願いをしたのですが、「そんなの世の中にないよ」といわれたので「じゃあ作れば~」と、、

一同:(笑)

和田:すごいですね(笑)

もとみ:そんな感じで進めています(笑)

和田:お互いに信頼し合っているからできることですね。

もとみ:FRENCH Bleuさん用の『motomi.m』は浅野さん(FRENCH Bleuディストリビューター、以下浅野DB)と奈美江さん(FRENCH Bleuレディースバイヤー、以下石川BY)とずっと一緒に作り上げてきて、(デザインをしているときに)こういうのは奈美江さんに似合うかな、とか。浅野さんはこういうのが好きかな、とか。
FRENCH Bleuのお二人をイメージしながら作成しています。
そして、たまにお客様に直接会える機会があるのでそこで出会ったお客様をイメージしながら(ここの店舗のお客様にはこういう風に作ったら喜んでいただけるのではないかなど)デザインをしています。
なので本当に個人オーダーと同じだと考えています。

和田:お客様に合わせて考えているんですね!

もとみ:本当にそうです。なのでこうやって2カ月に1回お二人(浅野DB、石川BY)にみていただくのですが、その時も私がイメージをして(シーズンごとに)ストーリーがあるので、 それをお二人にアトリエまで来ていただいてお話しして実際の商品を見て頂きながらお話を進めていきます。

和田:なるほど、だからFRENCH Bleuのお客様に愛されているんですね。